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本研究室と東芝との共同研究が生んだ成果:インフラ点検の未来を変えるAE技術
本研究室は、2013年から東芝とともにAE(Acoustic Emission)技術を活用した共同研究を進めてきました。このたび、共同研究の成果を基に、橋梁床版の健全性評価にAEセンシング技術を適用するビジネスが高速道路で展開されることとなりました。(詳細はこちら)
AE技術によるモニタリングは、これまで国内外で幅広く用いられてきましたが、多くは自動車産業や航空宇宙産業などの閉じた環境(Close展開)での利用、または橋梁ケーブルや、PC構造物の劣化が顕在化したときのIn-caseのモニタリング事例が中心でした。しかし、今回の成果は、Routine検査としてインフラ構造物にAE技術を実装する世界的にも画期的な取り組みです。これはAE科学・技術にとって誇らしい大きな一歩であり、実務における新たな活用の可能性を示しています。
さらに、この健全性評価手法は、日本国内ではすでにNDIS(日本非破壊検査協会規格)2434および2435として規格化されており、現在JIS化も進行中です。また、国際的にも高い評価を受けており、RILEM(国際材料構造試験研究機関・専門家連合)の推奨方法として、塩谷教授が委員長を務めたTC-269IAMの活動成果としてMaterials and Structures Journal(Springer社)で近々公表される予定です。
この取り組みは、インフラ維持管理における新たなスタンダードの確立に向けた第一歩となり、さらなる発展が期待されます。